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これから見る予定の映画


クレイジー・ハート キャタピラー 
ザ・コーブ ブライト・スター ザ・ロード 


★★★ ボーダー シネツイン2
日本での公開が遅れたが、2007年、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが初めて本格的な共演をした映画。二人とも歳をとりました。特に、ロバート・デ・ニーロは役柄のためもあるのでしょうが、老けたと思いました。映画は名優を二人上手く使い、よく出来ています。最後のどんでん返しはなかなかだとは思いますが、二人の友情の扱い方にもうひと工夫ほしいところです。個人的な欲を言えば、ニューヨークの魅力を表現する屋外の場面があれば更によかったと思います。カーラ・グギーノは魅力的でした。

★★ アデル シネツイン2
以前、サロンシネマ・シネツインで上映される映画はほとんど他の映画館では上映されませんでした。シネツイン2が出来たあたりから、他館でもやっているものがかかり始めました。いい映画であればそんな事を気にすることは無いとは思うのですが、何時頃からか、らしからぬ映画が見られるようになりました。経営のこともあるので、多少は仕方のないことでしょう。2カ月ぐらい前、新館を作るということが発表されました。5スクリーン目です。経営は大丈夫なのか、上映作品のレベルをどう維持するのか、ちょっと心配です。普通のシネコンみたいになったのでは、存在意義が失われてしまいます。その点、横川シネマは頑張っていると思います。
アデルは、他館でも上映されているもので、シネツインでやっていなかったら、見に行かなかったでしょう。ちょっとがっかりの映画でした。リュック・ベンソンもこの様な映画を撮るのですね。偉そうに、奇想天外の収めどころとスパイスが一つあればいい作品になるのではと考えました。

★★★ オーケストラ シネツイン1
素晴らしく出来のいい映画、とは云い辛いが、面白くて、音楽も楽しめ、ちょっと感動する、なかなかの作品です。全般的にコメディ調で、リアリティという面では問題もあるが、そんなことは兎も角、楽しい時間を過ごせます。特に、最後の演奏場面はとても上手く作ってあり、感動します。欲を言えば、折角ロシアやパリが舞台になっているのだから、それぞれの魅力を映像に盛り込んでほしかったと思います。

★★ ロストクライム―閃光― 109シネマズシアター3
3億円事件を題材にした作品。面白いとは思うが、説明不足ではないか。原作を読んでいないので、原作もそうなのか、映画化でそうなったのか、は不明。おそらく映画化の失敗ではないか。まず、犯人が事件の真相をどうやって知ったのか、説明が足りない、だから彼の行動に説得力がない。もうひとつ、警察権力があそこまでやるか。造り物とはいえ、疑問が残った。というようなことをゴチャゴチャ考えずに見れば、充分楽しめるとは思う。

★★ マイ・ブラザー サロンシネマ1
この映画は、ベトナム戦争を題材にした映画にもあったように、戦争の後遺症を描いたものだ。アフガニスタンに出兵するのだが、特にアフガニスタンである必要はない。そこでの異常な体験が、兵士を、その家族を苦しめ、それから如何に立ち直るか、というストーリだ。感動的な話ではあるが、アメリカからの視点だけで描かれている点が気になる。
なお、この映画は数年前の「ある愛の風景」のリメイク、ハリウッドはこんなことをやっていていいのか。
ナタリー・ポートマンが綺麗でした。

★★★ アウトレイジ バルト11シアター2
北野武の才能を再認識しました。人間の性を理解し、主張に偏らず、観客を楽しませ、映像の美しさも織り込む。過剰な暴力表現は抑えることができるのではないかと思いますが、個人的には一応許容範囲です。ビートたけしのお笑いの方が許容範囲を超えています。映画の方をもっと作って欲しいと願っています。

★★★ ケンタとジュンとカヨちゃんの国 サロンシネマ1
今年見た中で一番の映画。映画が持つべきものを一応持っている。
印象に残ったセリフ(正確ではありませんが)。
(ある登場人物)網走の向こうに何があるか知ってるか?・・・・・海だよ。
(別の登場人物)海の向こうに何があるか知っているか?・・・・・おれたちの知らないものだよ。
そして、このセリフが最後に効いてます。
最高に良かったのは、最後に安藤さくらの放心したような表情のアップが映り、
岡林信康の「私たちが望むものは」が流れます(今彼を知っている人はどれ位いるのだろう)。
歌っているのは、私の知らない、阿部芙蓉美というハスキーボイスの女性、
伴奏控えめ、初めと終わりはアカペラ、
これがピッタリなのです、歌い方、歌詞の内容、この映画にピッタリです。
この歌からこの映画を作ったのではないかと思うほどです。
映画館を出てからこの歌を口ずさんでいます。

★★ プレシャス サロンシネマ1
主演の新人、ガボディ・シディベ、圧倒的存在感です。16歳の役ですが、83年生まれ、でも全く気になりません。何歳にでも見えます。ストーリーは、簡単に言うと、家庭で虐待された少女が愛に目覚める、といったところでしょう。存在感はあるのですが、あれだけ太っていると動きも表情も平板で、心理描写が精緻ではありません。その分見る方が補うという、いいのか悪いのか分からない効果があります。アップでの表現が多く、もっと映画らしい、広がりのある映像があったらと思いました。

★★ カラヴァッジョ サロンシネマ2
イタリアバロック絵画の巨匠・カラヴァッジョを描いた作品。サブタイトルに、天才画家の光と影、とあるように、彼の人生の光と影を描くだけではなく、映画にも彼の絵と同じように光と影が非常に上手く使われている。彼の気性の激しさ、純粋さが、常軌を逸しているように感じたが、実際もそのような人物だったようで、芸術家とはそんなものなのかもしれない。ということで、今一つ感情移入できなかった。

★★ マイレージ、マイライフ シネツイン1
アメリカ中を駆け回る主人公、それらの都市の空からの映像がきれいです。初めのタイトルバックが、これらのコラージュです。そして、エンドロールの背景は雲の上の映像です、つまり、都市は見えません。アメリカ映画らしからぬ終わり方を象徴しているようです。様々な現代社会の問題に触れていますが、重いことはなく、この点はアメリカ映画らしさが出ています。いろんな見方のできる、見て損のない映画です。

★★★ アリス・イン・ワンダーランド Toho Cinemas 2
いろいろあって、実に1月以来の映画です。
話題の3Dを見たくて行きました。凄い技術です。ビックリしました。いろんなものが眼前に迫ってきます。石が飛んできたときなどは、思わず避けてしまいました。ただ、まだ発展途上のものだともいます。気になる点がいくつかあり、特に、アリスが穴に落ちる場面、馬車の窓越しに見える外の景色、など、ちょっとちゃちな感じがしました。ストーリーは、少しひねってあるようですが、当たり前ですがアリスです。猫が撮っても魅力的です。全体的に見たら、素晴らしいと思います。3D未だの方、是非。

ラブリーボーン Toho Cinemas 7
家族三人で書いて応募した試写会が当たりました。久しぶりの映画です。
結構期待していきました。が、ひどい期待外れ。何を表現したいのか分からず、俳優にも映像にも魅力なし、アカデミー賞の有力候補、と書いてあったような気がするが、見間違いか。


 2009年 25本 

     今年も出だしは快調だったが、春に家庭の事情で行けなくなった。
     その後は、何時でも1000円になったのに、巡り合わせが悪く、
     時間があるときには見たい映画がなく、見たい映画があるときは時間がなかった。


★★★ わたし出すわ シネツイン1
簡単に言うと、儲けた金を高校時代の友人に渡し、その渡された友人たちのその後の生き方を描いた映画。どうやって稼いだのか、なぜ渡したのか、は一応描かれてはいるが、ちょっと弱い。テーマから考えると弱くてもいいのかもしれない。友人たちのその後は、ひとり死んでしまうが、プラスの方に行っているようで、見た後の余韻も悪くない。ただ、われわれの想像力を超えた展開がなかったのは、ちょっと物足りなかった。主人公の母親も大きな部分を占めているのだろうが、描き足りない感が拭えない。とはいえ、全体的にはいい映画だと思う。

★★★ ヴィヨンの妻 Toho Cinemas 8
大きく心を揺さぶることはないが、いわゆる私小説的に感情にピリピリと訴えるところがあり、全体的にうまくできている。どうしても太宰の自死を思い出してしまうが、終わり方もちょっと明るさがほの見えていいと思う。松たか子が素晴らしい女優になった。浅野忠信には何かが欠けている。目が死に過ぎているのではないだろうか。広末涼子には明らかに風格が足りない。という不満はあるが、いい映画だと思う。
主人公のセリフ:女には幸福も不幸もない。男には不幸しかない。

★★★ ポー川のひかり サロンシネマ1
原題は「百本の釘」、物語の始まり、荘厳な図書館の貴重な本が、開かれた状態で、大きな釘を使って机や床に打ち付けられる、という大事件が起こる。登場人物のセリフにもあるが、その光景は背徳的に美しく心を震わせるものがある。知識、宗教を捨て、自然に生きる、ということの象徴であろう。その後、その大事件の犯人である主人公は、ポー川の畔で、素朴な人々と自然の中で暮らす。現代人が忘れている大切なことを、自然の流れの中で、時には言葉で、そして最後には、押し付けがましくない終わり方で、気付かせる。しかし、そのこと自体が知識を必要とすることであり、つまり、人間は矛盾した存在であることの現れと言えるだろう。最後の方で分かるのだが、100本目の釘は打ち込まれなかったようだ。
この映画の良さは、淡々と流れるところだ。映像がきれいである。特に青い色がきれいだ。音楽が美しい。素朴で仄かに甘美である。その音楽に合わせた踊りが楽しい。川を進む船の上のダンスも魅惑的だ。それを楽しむだけでも十分である。後でごちゃごちゃ考えないほうがいいのだろう。

★★★ クララ・シューマン愛の協奏曲 サロンシネマ2
ヘルマ・サンダース=ブラームス監督作品。昔、ベルリンの壁崩壊前後を描いた「林檎の木」という映画を見た。内容は正反対の作品だが、どちらもうまくできている。が、この作品には時代背景といったものがもっとあったほうがいいのではないだろうか。映像の美しさも欲しいし、映像と音が合っていないところが目に付いた。エンドロールが文字だけになったときに音も全くなくなり、音楽の映画なのにちょっと寂しかった。など、気になるところはあったが、最初に書いたように、全体的にみるといい映画だと思う。主要な役者三人がいい、特に、クララ役の女優は素晴らしい。映画とは関係ないが、クララとブラームスの関係は実際のところ如何だったのだろう。14歳の年齢差は、今と違い当時はかなりのものだったのではないだろうか。

★★★ プール シネツイン2
小林聡美*もたいまさこ、の独特な世界。タイ、チェンマイの、ゆったりとした空間と時間の中で、実はそれほど尋常ではない生き方が描かれている。舞台の自然や風物は美しく表現されている。今回は、主人公の特異さが十分に説得力を持っていないのが、少し残念な点である。主題歌がいい。「だんだん薄くなっていく僕たちの影」「だんだん遅くなっていく僕たちの時間」

★★★ 空気人形 シネツイン1
空気人形が心を持ってしまうというファンタジー、とくれば、どのような混乱が起こるのだろうと想像する、が、凡人が考えるようなことは起こらない。映画に登場する人物たちはこのことに何の違和感もないようだ。だから、観客は、空気人形にではなく、空気人形が接する人間の方に違和感を抱くようになる。中が空気だけの人形が心を持ち、色々持っているはずの人間の心が虚無である。分かりやすい対比を更に鮮明にしているのが、元国語教師の話である。吉野弘の詩二編、「生命は」、「I was born」。特に後者の蜻蛉の話は強烈だ。みえみえの寓意だらけだが、最後の不燃ゴミと可燃ゴミは効いてる。一見の価値充分にあり。個性的な俳優が多数出演し、疎外され、心に空虚を抱いた現代人を名演しています。

★★★ カムイ外伝 109シネマズ広島シアター4
昔懐かしい(と言っても、カムイ伝の方は未だ完結していないはず?)漫画の映画化ということで期待して行きました。原作は全て読んだと思うのですが、そして、この映画の原作になった外伝第二部のスガルの島はビッグコミックでリアルタイムで読んだはずなのですが、見事に何も覚えていません。まあそれだから、新鮮な気持ちで見ることは出来ました。そして、軽快な展開で、楽しむことができました。
気になった点をいくつか。CGが使ってあると、それらしい場面の以外にも疑いを持ち、自然の美しさに対して素直に感動できない。私がカムイに対して昔から固定観念を持っているためか、松山ケンイチのカムイに違和感を持ってしまう。カムイの世界は終わりのないものではあるが、映画が終わった時には一定のカタルシスが欲しい。と勝手なことを書きましたが、十分に見る価値のある映画です。
P.S.ちょっと残酷な映像があります。

★★ 私の中のあなた Toho Cinemas 3
ホームテレビのポルポル倶楽部で試写会をゲット。
白血病の娘を救うために、ドナーとなるべき子供をつくる、という、どこかで聞いたようなお話だ。次女の苦悩は理解できる(芝居はうまくない)が、母親の一途さは理解しがたい。それは母親の人間像を創り損ねているからではないか。一番悩み苦しむはずの母親があれでは、見ている方が共感を覚えない。長女の彼氏役が光っていた。

★★ サマーウォーズ バルト11シアター2
凄く期待して行ったのに、ちょっとガッカリ。
ヴァーチャルな世界のキャラクターは、何らかの形で現実世界と絡むことによって感動を引き起こすのではないだろうか。この作品は、二つの世界が、対比はされているが、交わることはなく、現実世界の良さだけで持っていると感じた。その現実世界もかなり漫画的に過ぎるところが見られる。この映画、近い未来への警告なのか、古き良き時代の日本への郷愁なのか。

★★★★ ディア・ドクター シネツイン2
西川美和は凄い。「ゆれる」も、「蛇イチゴ」も、「夢十夜」の第九話も、なかなかいいと思ったが、この作品はそれ以上です。色々なテーマがテンコ盛り、まさに今現在の日本社会なのでしょう。地域医療、過疎、高齢化、独居老人、医者の研修、医者の使命、人の死に方、人に生き方、人の矜持、人の弱さ、人の自己愛、人の自己保身、人の醜さ、などなど、相変わらずどれにも結論めいたものはありません。それがまたいいのですが、何となく一定の方向性は垣間見えます。最後に少し、幻想のように、明るさを見せるという所は前二作と同様ですが、ここだけは三作の中では一番出来がよくありません。
キャストも素晴らしい役者ぞろいです。特に、八千草薫、いいですね。
映像もきれいです。日本の自然は美しいと感じさせられます。
私の現住所の近くに監督の実家があるようです(同じ区というだけで、どのくらい近いのかは不明)。こんなことでも親しみを感じる理由にはなります。文学賞の候補にもなっているようですが、映画の方に期待したいと思います。

★★ アマルフィ Toho Cinemas 7
惹き付けるものはあるのだが、謎解きの段階でちょっと突っ込みを入れたくなるところが幾つか出てきて興をそがれた。音楽に関しても、確かにサラ・ブライトマンは素晴らしいが、本人まで登場させ、最初から最後まで使うのはどうなのか。おまけに彼女の映像が鮮明でないのはどうして。そして一番期待していたのが、イタリアの景色だったのだが、アマルフィの映像以外、美しいものがあまりなかった。と、不満ばかり書いたが、久し振りに見たので、矢張り映画はいいと改めて思った。

★★★ 重力ピエロ シネツイン1
伊坂幸太郎のゴールデンスランバーを読んで、この映画を見に行く気になった。そして、彼のエンターテイナーとしての才能を再確認した。ただ、映画がどのくらい原作に忠実なのかは分からないが。
ストーリー的には、レイプが根底にあることとそれに対する世間の偏見に居心地の悪さを感じた。最後に多少すっきりはしたが。小日向文世がハマリ役で、その他の役者もピッタリだった。セリフも素晴らしく、「春が、二階から落ちてきた」や、「神様に聞いた」のリフレインが効いている。
楽しそうに演技をして重力を消すサーカスのピエロ、重力は重荷?
仙台らしい、と思われる映像がほしかった。

★★★ 愛を読む人 バルト11シアター2
久し振りに、試写会が当たりました。それも、インターネット応募で。
映画はなかなかに面白いものでした。様々なテーマが盛り込んであって、焦点が定まらないきらいはありますが、最後にはうまくまとめてあります。決して軽くないテーマばかりですが、不思議に見終わったとき、これでよかったのだろうという気になります。

★★★ GOEMON Toho Cinemas 1
この時代のユニークな人物を独特の関係で結びつけ、まあいいかと思わせるところにこの映画の面白さがある。しかし、それ以上に破天荒なのが、装置や大道具、小道具である。まず、こんな金庫があの時代に!ということから、出るわ出るわ、ギリシャにローマ、ヨーロッパだけではなくアフリカ、勿論アジアも。それでも、まあいいかと思わせるところが凄い。要は、登場人物が生きているので、ドラマが成立しているのだろう。例えば、本能寺ってあんなロケーションか、というような突っ込みはいれずに見ると、十分に楽しめます。

★★ 天使と悪魔 Toho Cinemas 2
面白く、楽しめる映画です。テンポが速く、ずんずん引っ張られていきます。「ダビンチ・コード」は本を読んだので映画は見ませんでした。今回は逆で、原作はどうかわかりませんが、映画には分かりにくいところはありません。CGがどの程度使われているのかはわかりませんが、美しいローマ(バチカン)も堪能できます。でもこれは典型的なハリウッド映画です。反物質などというものは全く必要のない装置でしょう。

★★★ いのちの戦場 サロンシネマ1
主演のブノワ・マジメルが立案した、アルジェリア独立戦争の映画。アメリカがベトナム戦争の映画を作っているのに、フランスは?、という思いがあったようです。
理想に燃えたフランス将校が戦争の現場に出て・・・、という作品です。アルジェリアの荒涼とした山岳地帯が舞台で、映像の美しさはありません。アメリカはベトナム戦争をなんとか美化しようという動きがありましたが、この映画はアルジェリアで死んだフランス人は犬死という見方をしているようです、だから、暗い雰囲気が漂っています。考えさせる映画です。

★★ ディファイアンス サロンシネマ1
英語の defiance には大きく二つの意味がある。ジーニアス英和辞典によると、ひとつは、「無視」、派生して、「冷淡」、「軽蔑」という日本語に相当する意味合いもある。もうひとつは、(権力・敵対者などに対する)挑戦[反抗]的態度、公然たる反抗、挑戦、という意味がある。うまく日本語にならない、というのならまだしも、ポスターには、「生きるための[抵抗]だった」の抵抗に「ディファイアンス」というカナがふってある。ならば、訳の判らないカタカナを使わずに、最初から「抵抗」というタイトルにすればいいのではないか。映画のタイトルには、意味不明のカタカナが多過ぎるのではないだろうか。
さて、映画であるが、ユダヤ人のナチスに対する抵抗である。舞台はベラルーシ。これまでと違うのは、ユダヤ人がユダヤ人を救うというところである。さらに、指導者(主人公)を美化せず、悩み多き暴走もする人間として描いている。惜しむらくは、今一つ惹き付けるもの、大きな盛り上がりがないことだ。ダニエル・クレイグは、007よりはこちらの方が合っている。

★★★ プラスティック・シティ 横川シネマ
アンソニー・ウォン、オダギリジョー、主演、中国=香港=ブラジル=日本、合作映画。ブラジルの自然、都市の映像が素晴らしい。贅肉がなく引き締まった流れもいい。
宣伝文句は、「血の繋がりよりも堅く結ばれた二人の男の“激しくも美しい”クライム・ストーリ」。劇中、オダギリジョー演じるキリンが呟く、「なぜ父親が必要なのだろう?」。映画には答えがない、だから私が答える、「乗り越えるため」。

★★ スラムドッグ&ミリオネア Toho Cinemas 5
アカデミー賞作品賞など多数の賞を受賞した作品。さすがによくできた映画である。クイズミリオネアを大枠に、インドの過酷な現実を描く、のかと思ったら、純愛映画の趣を呈し、最後はインドミュージカル映画になる。確かに楽しめて、よかったヨカッタで終わるのだが、よく考えると、何が良かったのかよく分からないし、途中で提示されたインドの現状はどうなるのか、ほったらかしのままである。自然の景色も都市の景観も心を打つものがあり、見て損のない映画ではある。

★★ チェ/39歳 別れの手紙 Toho Cinemas 6
この後半も、ある程度の予備知識がないと理解しづらいと思われる。さらに前半よりも徹底したストイックな描写が続き、ゲバラが好きではないと面白くないだろう。
見ていて、先日の「連合赤軍」とダブってしまった。革命は民衆に支持されないとうまくいかない。ゲバラが人民を愛している、というようなことを言っていたのが印象的だった。
前半と後半の間の抜けた部分、ゲバラが何故キューバを去ったのかを描いてほしかった。そして多少とも元気が出る要素がほしかった。

★★★ チェンジリング WMC4
ヒューマンドラマと思っていたが、これは社会派ドラマである。白と黒がハッキリしすぎている感はあるが、その分安心してみることができる。しかし、こんな時代があったのだと思ってはいけない。これは現代に対する警告でもある。現代の我々も、あからさまではないが似た状況にいる可能性が大である。

★★★ 禅 ZEN サロンシネマ2
曹洞宗開祖道元を描いた作品。分かりやすい映画である。音楽もいいし、日本や中国の景色も美しい。惜しむらくは、このような作品では仕方のないことかもしれないが、主人公を美化しすぎているきらいがある。道元は修行の過程でもっと苦しんだのではないだろうか。そのあたりがもっとリアルに描いてあれば、さらに感動的なものになったであろう。

★★ 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 サロンシネマ2
全共闘にいたるまでの描写は短く、うまくまとめてある。その後はじっくりと丁寧に破滅に向かう道程を追う。しつこいぐらいであるが、見ていて変な気分になった。その状況、実は今われわれが置かれている状況と同じような気がしてきたのだ。あくまで状況である。彼らは間違いなく狂っていた。同時代に生きた者から見ても何ら弁解の余地はない。だから、この映画は何を伝えたかったのか、いまひとつよく分からない。最後の少年の叫び、「勇気がなかったんだ!」は問題を矮小化している。この問題の「総括」はまだ終わっていない。その世代にとっても(逃げてはいけない)、他の世代にとっても(非難ばかりではいけない)。だから、未来が見えてこない。その意味では、この映画がきっかけになるか。

★★ チェ/28歳の革命 シネツイン2
1967年、ゲバラはボリビアで捕まり銃殺された。そのころ日本の大学では全共闘運動が盛り上がりつつあり、彼は物凄い人気だった。肖像画が至る所に張られ、著作が多数翻訳された。
この映画は、そんな彼を知らないと面白くないのではないか。「モーターサイクル・ダイアリーズ」とこの映画のあいだを知らないと焦点がぼけたように思うのではないだろうか。その意味では、この映画はいい映画とは言えないだろう。
さらに、この映画は二部構成になっている。評価は後半を見てからすべきだろう。

★★★ おくりびと サロンシネマ2
この時期サロンシネマが去年の名画を再上映します。とても有難いことです。
この映画はとても素晴らしい出来だと思います。まず、脚本がいいのでしょう。もちろん監督もいいし、役者もいい。特に、山崎努は出色です。庄内平野、月山、感動的な景色です。
多少喋らせ過ぎの所もありますが、全般的にはセリフを抑え、自然に流れを追って行くようになっています。最後は、少し余韻を残しつつ、ホッとする収束(終息)感もあります。
一つ気になったのは、納棺師に対する偏見はあんなに強いのか、逆に描き方が美化され過ぎていないか、ということです。